僕たちは、学生生活の夢を見るか?
ハロー、ちえ(@chie2401)です。
……お前まだアナビにいたの?と思った貴方。正解です。
数年前にうっかり足を滑らせて留年した*1結果、元気にサークル5年目をやっています。
AVCCも4回目になりますが毎度書き出しには困るもので、今回も自己紹介でお茶を濁させてください。
ちえ
AnotherVision4期。主な制作は『LONELY/COLONY』制作指揮など。
サークル内では主にマネジメント・企画運営・テキスト・スタッフ等を担当。
2020年は団体内部イベント『全体コンペ2020』の運営統括や、同じく内部向けイベント『AnotherAudio』のディレクター兼パーソナリティ*2など。内部ばっかりやんけ*3。
対外的には、 #消滅ウミガメ の企画運営に携わったり、下北沢にスタッフとして出現したり*4していました。
最近はマーダーミステリーに夢中*5*6。プレイヤーとして参加するに飽き足らず、制作にも手を出し始めたひよっこライター。好きなシナリオは『左利き連盟』*7*8。
『こんな人です』と簡潔に自分のことを説明するのは、非常に困難を極めますが*9、ここはひとつ、「もし全人類を令嬢と執事のどちらかに分類するなら、私は令嬢側の人間です。」と説明しておきましょう。
最近サークルで令嬢と執事のマーダーミステリーが流行って、そのRPが流行った結果、ご令嬢方の無茶振りに耐えかねた執事たちが労働組合を結成した話しますか……?
— ちえ (@chie2401) 2020年11月26日
ひとしきり自己を紹介しましたが、「私のことを覚えてください!」ということはなく。
私はこの春で卒業です*11。
ということなので本当にお茶を濁しただけ*12。
私を覚えるよりも若い子たちを覚えてあげてください。
本題。
AVCCの記事内容に振れ幅がありすぎて、『年単位の情緒不安定』と自ら形容するような*13私ですが、今年は珍しく、多少まじめな記事を書こうと思い至りました。どうせ他のメンバーがふざけ倒してくれるし。
追記:書きあがった記事を読んで、別にまじめな記事じゃないな?となっています。副目的だった『今の自分にしか書けないものを書く』が前面に出ちゃった。まぁそういうこともありますよね。「この記事は結局何が言いたかったんだ?」とか学校の先生みたいなこと言わないでください。ひたすら、つらつら。そういう感じに仕上がりました。
さて、
私事ですが、先ほども申し上げました通り、私は今年でアナビを卒業する予定です。
いろいろなコンテンツの制作に関与させていただきました。制作歴を書き連ねても良いのですが、長いので割愛。
しかし書き出して気付いたことがありまして。
学園祭コンテンツの率が高いんです。異常に。
それもそのはず、この数年間は、年が明けたら五月祭のことを考えはじめ、五月祭が5月に終わり*14、終わると夏が来て、バタバタしている間に駒場祭の制作が始まり、駒場祭が11月に終わると年が明けて五月祭の時期になるんです。
つまり、五月祭のことを考えているか、駒場祭のことを考えているか、どっちか。
それ以外で私が制作に関与した謎解きコンテンツといえば、
・某*15チョコレートバーのリーフレットに掲載させていただいた謎*16
・おもちゃが大変なことになってる感じの公演
・オートマチックじゃない方の公演*17
の3つしかありません。5年もいたのに。
5年も!いたのに!!!
……何してたんだろう私。
いや、学祭を作ってたんですよ。あと何か色々の運営ね*18。
そこまでして、何故私が『学祭制作』に執着 を愛してやまなかったか。
そこには何か深い理由と胸アツな何かが!
きっと!
あるといいんですけど。ないかもしれない。
考えながら書いてるので許してください。
丁寧にブロック分けされて、目次もついて、読みやすいなんて文章は多々あれど、こうやって駄文を書き流してる方が性に合ってるんです*19。
AVCCは何やっても許されるって言ってた。誰かが。それ言ったの私かもしれないけど。
まぁこれで良いことにしましょう。
さて。
AnotherVisionの中の『学祭制作』は、他の制作に比べてちょっと変わった立ち位置にある気がします。
これは各種学祭がオンライン開催になってしまう前の前提で話を進めるのですが、
・好きなテーマで
・ホール型公演(周遊の時もある)を
・〆切アリで
作る。これが学祭制作だと思っています。
ホール型公演を作る機会って意外に少なく、ホール型過激派、「ホール型しか勝たん!*20」と主張する私にとって学祭制作はまたとない機会です。
そんなにホールがやりたいなら自分で勝手に作ればいいやん、とおっしゃるのもその通りなのですが、どうにも〆切がないと制作が締まらなくて。
制作がっていうより、締まらないのは私の気持ちのほうなんですけど。
まぁ夏休みの宿題は最終日まで溜めるタイプだったし。マネジメントとは*21。
で、会場以外の制約が無くて*22、幅広い層のお客様に遊んでいただける。
ね、魅力的でしょ?
もっと内側に踏み込んだ話をすれば、毎年(少なくとも2020年現在)駒場祭はその年の1年生が制作するコンテンツが1つはあり、五月祭も若手メンバーが制作の中心を担うことが多い、というのが弊団体内での学祭制作です。
少なからずバイアスがかかっているのは認めますが、学祭制作ってドラマがあるんですよね。ドラマが*23。
駒場祭は特にそれが顕著です。
なんせ、『初めて謎解きコンテンツを制作して世に出す』子たちがゴロゴロいるんです。そりゃそうでしょ。
一番初めの会議で顔を合わせてちょっと緊張するのも、序盤の会議でアイデアがポンポン出て楽しいのも、『謎解き』の持つ制約が意外に大きいことを知るのも、デバッグで先輩にボコボコにされるのも、コンテンツが世に出るまでに必要な工程が多いのも、その工程のほとんどが想像の数十倍地味なのを知るのも*24、
そして、
自分達の作ったものを「面白い!」と言ってくださるお客様がいらっしゃった時の尊さに初めて触れるのも。
このサークルでは、少なくとも年1で見られる景色なんです。
この景色は、AnotherVisionが『謎解き制作のサークル』だから見られる景色なのだと思います。
そして、この景色は学祭全体の持つ熱量を帯びて、さらにひときわ輝きます。
1年目は制作の中心に立ち、
2年目は先輩として、
3年目は先輩の先輩として、
4年目は先輩の先輩の先輩として、
この輝きを観測し、そして自分で気付かないうちに輝きそのものになっていること。これが学祭制作の良さだと私は思います。
そして、この輪には、もう二度と立ち入ることが許されないのだということを感じます。
この11月に公開された、きりんぐたいむに象の群れ(@kirin_for_zou)さんの『僕たちは、学園祭の夢を見る。』をプレイさせていただきました。
まだの方がいたら、是非遊んでみてください。
ネタバレになる感想は避けますが、これを遊んで私は「あぁ、私の知ってる学園祭だ」と思いました。
京都大学の学園祭であるところのNFは、毎年東大の駒場祭と日程が重複することで有名です。私は毎年駒場に居たので、NFに行ったことはありません。
しかし、私の知っている『学園祭』は、確かにそこにあったのです。
ちょっと泣きました。
京都だろうと、東京だろうと、私たちは同じ夢を見ていたんです。
『夢を見る』というのは、何も今年に限った話ではありません。
去年だって、一昨年だって、学生たちは同じ学園祭の夢を見てきたんだと思いました。
制限時間付きの、いつか必ず覚める夢を。
これは私個人の感想ですが、大学生は、『自分が持つエネルギー』×『できること』の値が人生の中で最大になるシーズンだと思っています*25。
私たちの若さと時間は有限です。
私自身も、無事に卒論が書き終われば、今年で大学を卒業して、同時にアナビを卒業することになるんだって、ずっと知ってはいました。
知ってはいたんです。
頭で、事実として、捉えてはいたんです。
今年で最後だからって、自分が知ってることを引継ぎ資料にまとめたりもしました。ちゃんと卒業する準備を進めてきました。
でも、その事実をやっと『わかって』しまったのは、この『僕たちは、学園祭の夢を見る。』をプレイした後でした。
もう二度と、私が学園祭の1つの輝きになることはないのです。
少し話を拡張するなら、ずっと、長い間、『学生生活』という夢を見てきたんだと思います。
それもそうです。22年の人生のうち、7割以上を学生として過ごしてきたんですから。
学生じゃない自分がどうしてたかなんてもう覚えていませんし、覚えていたとしても役に立たないことでしょう。
夢から覚めた後の景色は、一体どんなふうでしょうか。
願わくば、そこがまた次の新しい夢であってほしいと思います。
AnotherVisionという場所は、少なくとも私にとって、夢を見るのにうってつけの、またとない『舞台』でした*26。
先人が築いてくださった舞台の上で、必死に舞い踊り、役と自身の境も分からなくなるまで夢中になれました。
そして、ここを去る者として、僭越ながら、その舞台装置に自分が少しでも何か残せていたら良いと思います。
この組織が、多くの学生に、より美しい夢を見させるための舞台であり続けることを、強く祈ります。
そして、その結果として、面白いコンテンツがあるといいなと思います*27。
どうか皆様、これからのAnotherVisionをお楽しみに。
私も、とても楽しみです。
それでは、私の話はこの辺で。
皆様良いお年を。そして、良い夢を。
*1:やっと笑い話にできるようになりました。
*2:久しぶりに自力で企画して楽しかった。出演者&リスナーの皆さんありがとうございました。
*3:コンテンツというよりは、みんながコンテンツを作るための『舞台』作りを楽しんだ1年でした。この話で1本記事書く説もあったけど需要がニッチそうなのでカット。聞きたい人は聞いてください。
*4:年明けもいるよ!お待ちしております。
*5:Rabbitholeの扉が家に欲しい。「どうせちえさんはマダミの話するやろ」って言われるのが癪だったので、マダミの話を記事にするのはやめました。
*6:アナビの中でもブームを巻き起こしています。多い人は12月で10本以上遊ぶらしい。
*7:https://rabbithole.jp/event/lefthandedleague
*8:他にも『沸騰のロマネスカ』や『注文の多い理想郷』など。
*9:「ちえちゃんは〇〇な感じの人だよね」と言われる時の〇〇の多岐に渡ることといったら!
*10:無茶振り耐性がやたら高い、優秀で苦労人の執事にお世話になっています。誰のことかって?今年のここまでの記事を読めばどこかに居るんじゃないかな。
*11:卒論の進捗大丈夫か?
*12:でもマーダーミステリーの話はいっぱい振ってください。
*13:去年の記事にそう書いてあった。読み返して「わかるぅ」って言っちゃった。
*14:今年は10月に延期開催でしたが。
*15:棒でもある
*16:覚えてる人いますか??
*17:オートマチックな方の公演は2017年五月祭公演です。
*18:コンペと名の付くものには一通り関わりました。コンペは良いイベント。アツくて。
*19:まあこれレポートじゃないし
*20:ホール型が一番面白くない?今年一番好きだったホール型コンテンツはタンブルウィードさんのWです。
*21:マネージャーはセルフマネジメント苦手がちというのが自論です
*22:学祭の教室はとても動線が悪いというのは一旦置いておきましょう。
*23:去年の私の記事がリフレインした方はちえマニアです。
*24:AnotherVisionに5年在籍して最も成長したスキルは裁断のスキルな気がする。
*25:そんなことないぜ!ってパワフルな大人になりたいものですね。
*26:東大に来た理由の半分はAnotherVisionに入るためでした。残りの半分は中学時代に「東大で会おう」と約束した友人に会うためでした。彼は今元気にしているでしょうか。
*27:アンリミ遊びたーい!